前略
ブーリアンテストの技術詳細が不明ということですので、特別にソフト本体を送付します。
技術的内容よりも、まず、ブーリアンテストで、貴社内にある、様々なPentiumパソコンを計測してみてください。
特に、PentiumVとPentium4の比較が、今回のクレームのポイントです。
学会でも有名な大学の先生が、科学的証拠に基づいて意見を述べているのです。
貴社としても、それなりの対応をしないとマズイのではありませんか?
(企業ゴロなんかは扱い慣れているかもしれませんが、科学的事実はレベルの違う話になります。極端に言うと、歴史がかかってきます。)
Pentium4に関しては、すでに開発済みなので、今更、如何とも仕方ないでしょう。
貴社の方は、リコール運動が起きないように、何とか、ユーザを納得させるしかない。
一方、当方もビジネスですから、引き下がるわけにはいきません。
ブーリアンテストの宣伝は続けます。
科学的な客観性を備えたソフトですから、堂々と、宣伝できます。
さて、何か誤解があるようですが、ここからがビジネスです。
次世代のCPU開発(現在、開発中でしょう)において、ブーリアンテストは無視できないのではないですか?
今のままだと、再び、Pentium4と同じような事態が発生する可能性が大です。
そして、次回は、Pentium4の場合とは違って、ブーリアンテストという基準が存在することを承知の上での開発になります。
特に、
「PentiumX+1がPentiumXよりも速い」・・・(1)
という宣伝を貴社がしている限り、これは問題でしょう。
どのようなベンチマークテストを選ぶのか、その選考基準まで込みで、貴社の姿勢が問われるのです。
自社のCPUにとって便利な、米国製ソフトばかりを採用して、これが基準だといっても、ユーザは納得しません。
そもそも、科学的にいって、そのような戦術は禁じ手で、その結果は、誰も信用しません。
いいですか、すでにブーリアンテストは世に出ており、貴社も含めた業界の人間は、その事実を承知しているのですよ。
「採用しない」で済ませるわけにはいかないでしょう。
新機軸なんですから。
(この意味を説明するため、当社のHP上で、記事を書いたのです。)
貴社は、(1)の宣伝を止めなければいけなくなりますよ。
これが科学の強制力です。
米国の技術者の中には、日本人の作ったソフトを軽視したがる風潮があります。
貴社も、本社が米国ですから、その傾向があるかも。
しかし、ブーリアンテストだけは、無視をしないほうが良い。
とにかく、貴社内のパソコン総出でPentiumマシンを計測後、その結果を評価した上で、米国本社の責任者と話をするように段取りをしてください。
ソフトは、本日、貴社宛に、CDで送付します。
今回は、特殊ケースですから、貴社に限り、無料で期間限定(6月いっぱい)の使用を許可します。
(この段階では、米国本社には、ソフトを使わせないように。)
その後、具体的なビジネス(米国との交渉)の話に入ることにしましょう。
草々
(株)インテル殿
神奈川大学
山口人生